ΖΖ覚書

カミーユのこととかジュドーのこととか適当に。


第2話(実質1話)シャングリラの少年

 トレーラーの中で横になっているカミーユを見つけるジュドー。じっと虚空を見つめるだけで無反応のカミーユ。顔の下半分シーツに隠れてて息苦しそうだったので思わずシーツをめくる。
 ぎょろり、という表現しか浮かばないような目でジュドーを見るカミーユ。差し出される手。思わず握り返し、絡まる指。広がる宇宙。

 運命の出会い。

ジュドー「他のコロニーへ出稼ぎさ。仕送りしてくれるけど、空気や電気の料金は、税金以上に取り立てられるからな」
 親はちゃんと仕送りしてくれてたんだね。親の仕送りが途絶えがちになったからジュドーが働き始めたのかと思ってた。

 Ζのコックピットが閉じないのはカミーユ以外を乗せるのを嫌がったからという妄想。

第29話 ルーの逃亡

 コアファイターの中に閉じこもるジュドー。モニターを殴って血の滲む拳。
 ジュドーは大切なものを失った悲しみに囚われて今自分の手の届くところにある大切なものをないがしろにしたり傷つけたりするような子じゃないので、プルを責めたり八つ当たりしたりもしないし、戦いになればちゃんと出撃して味方を守る。メンタル強い。

第33話 ダブリンの午後

 走っている車から普通に飛び降りるジュドーさんの身体能力。



第34話 カミーユの声

 やっとでたカミーユ。最初からよくしゃべる。
 カミーユはΖの23話以降はずっと、自分の傷を無視して戦争を終わらせるために戦ってきたのでまあずっとこんな状態だったというか。自分で戦うか誰かを導くかの違いだけというか。誰にも気付かれなかったのが誰からも見える形になっただけというか。

 リィナのために買った服をプルが着て周囲が慌てるなか「プルに着てもらった方がいいかもしれない」と言いつつ後ろを向くジュドー。メンタル強い。ジュドーはないものねだりをしない子で、我慢が出来る子で、今手の中にあるものをちゃんと大切にできる子。メンタル超強い。でもまだ子供だから心配で、カミーユもずっと見てたんじゃないかなぁと。
 カミーユ自身は本人の不器用さと置かれた環境のせいもあって「誰にも理解されずに」いたから、ただ自分を見てくれている、苦しみを理解してくれる、声を掛けてくれる人がいるだけでどれだけ心が救われるかも分かっていたから、ジュドー達にそうしてたんじゃないかなぁと。
 あの子元々、「誰か」を助けることで自分も救われようとしてた子だから。自分の心を置き去りにして戦っていたのがΖのカミーユで、自分の身体すら置き去りにして、それでもまだ誰かのために傷付いていたのがΖΖのカミーユ。カミーユの声が聞こえる相手がいて本当に良かった。

 最初カミーユの声がジュドーのものに聞こえていたプル。カミーユもロザミィのお兄ちゃんだからね。お兄ちゃんの声。
 プルのことは「女の子」と言ったけれど、ジュドーのことは名前で呼ぶカミーユ。ジュドーのことをずっと見ていた証拠。
 プルとジュドーとカミーユの関係性好き。

 波の打ち付ける岩肌に座り込むカミーユ。裸足。

次回予告
「コロニーが落ちて来る」「ハヤトさんが死んじゃう」
カミーユでてきた途端にきっつい展開入れ込むのやめてくれませんかね。つか、ネタバレ酷い。

 これはΖΖから観始めた子供(居たんだろうか……?)がいきなりの重い展開でショックを受けないように「来週コロニー落ちたりハヤトさん死んだりしちゃうからね! 覚悟しててね!」っていう超余計な気遣いの結果な気がする。



第35話 落ちてきた空

ナレーション
「しかし声が聞こえた。俺たちを導く神の声が。俺たちにはそう聞こえた」
 ジュドーさんは今、さらっとすごいこと言いました。

 プルとカミーユが寝かされているアーガマの病室にリィナの服。この服はもうプルのものなんだよというジュドーの心遣い。

 カミーユをグラスゴーに下ろすためにコアファイターに乗り込むジュドーとファ。抵抗するカミーユ。逃げだしたのをビーチャが取り押さえて、「見ろよ、カミーユは今でも必死で戦おうとしている」「カミーユは戦いに吸い込まれそうになってるんだよ」とジュドー。
 周りに分かってくれる人がいるって、いいことですね。

ジュドー「後のことは任せてよ」
カミーユ「あぁ」
ジュドー「えっ?」
 振り返るカミーユ。ジュドーと、仲間たちを見つめて、広がる宇宙。
ジュドー「カミーユさん? あんた……」
カミーユ「ジュドー」
 言葉がなくても分かってくれる人がいるっていいことですね!

ジュドー「オレにも、カミーユの心が見えたと思うよ」
プル「カミーユの心が、悲しいことでいっぱいだったんでしょ?」
ジュドー「あぁ。だからさ、オレ。止めてやんなくっちゃなって」
プル「うん。そうだね、……そうね」
 ここでプルを気遣えるジュドーはいい子。
 この時点で、救助活動のために出撃するからプルを一人にしてしまうことを心配して病室にきたジュドーはコロニー落下を阻止できないと分かっていたはずで、つまりこの「止めてやんなくっちゃ」っていうのは「この戦争を」って意味もあるんじゃないかと妄想。

 カミーユさん。走る走る。
 止められなくても、何もできなくても、何とかしたいと走る。

 これ以上戦うと自分たちまでコロニー落下の余波に巻き込まれるという状況でもまだ敵の親玉を探し、倒そうとするジュドー。
ラカン「こいつ、まだ逃げんとは、正気か?」
ジュドー「正気で戦争ができるか!」
 ジュドーさんは今、さらっとすごいことを言いました。
 後にハマーンが指摘したとおり、ジュドーは最後まで「生身の人間を殺せない」子供だった。それでも戦い続けられたのはこういう切り替えがきちんと出来ていたからで、だからカミーユはジュドーに「怒り」を理由にしろと言った。正気で戦争なんかできないと、ジュドー自身が分かっていても正気に戻ってしまいそうだったときに、心が折れそうだった時に、怒りを理由に目を曇らせて戦えと。正気に戻るなと。悲しみに飲み込まれるなと。カミーユ自身が正気で戦争やって、罪の意識に苦しんでた子だったから、そういう風にジュドーの心を守った。



第36話 重力下のプルツー。

ジュドー「こんなひどいことって、あるもんかぁ! こんな……」
カミーユ『もし、戦うのに理由がいるなら、その君の怒りこそ理由だ』
ジュドー「あの声……、はっ!」敵の襲撃に気付き、避ける。
 ここで重苦しいBGMが消えるの、すごい演出。

プル「イヤなものが来る」
カミーユ「イヤなものが来る」
ジュドー「イヤなものが来る? カミーユ……いや、プルなのか?」
 通じ合ってる3人。

 自分のためには何もしない(できない)のに、他人のためには何かしようとする(できない)カミーユ。

第37話 ネェル・アーガマ

「懐中時計を見ながら」ジュドーの乗ったシャトルを見送るセイラさんと車椅子のリィナ。あれにジュドーが乗っているという情報を得ている証拠。

第38話 鉄壁、ジャムル・フィン

 前回リィナがジュドーを「見つけた」ことで、リィナの気配を感じるようになったジュドー。リィナのために頑張らないとと言い出す。痛ましいものを見る目で見つつも同調するエルやイーノ達といやそれおかしいだろと突っかかるビーチャ。戦闘中にリィナの声を聴いて、リィナは生きているんだと確信する。リィナは安全なところで無事にいるのだと分かったのでとりあえず目先の目的(サイド3に行くこと)を優先する。
 生きていればまた会える。死んじゃったらもうお終い。だからジュドーは、リィナやプルを失った「過去」の悲しみに囚われて、「今」手の届く場所にある大切なものをないがしろにしたり傷付けたりしない。
 リィナが死んだ(と思い込んだ)あと、ジュドーはプルに「好きだよ」と言えなかった。今まではプルのご機嫌取りくらいの感覚で軽く口に出していた言葉を、ジュドーは言えなくなっていた。それはジュドーがリィナを失った悲しみも、一人生き残ったプルに対するわだかまりも胸の中にはあるけれどそれでプルを責めるのは間違いだと分かっていて、だけど割り切れないものもあったからで、プルもそれを敏感に察知していた。
 それでもジュドーはプルのことを大切だと、言葉と態度で示し続けたし、だからプルは最後までジュドーの妹でいられた。
 この回もリィナは「自分はもう大丈夫。だからお兄ちゃんも自分のことを考えて、頑張って」ということをジュドーに伝えたくて、それが結果的にジュドーとビーチャを助けた。だからジュドーはこの回以降、リィナの心配をしなかった。
 グレミーに囚われていたときは、そこがリィナにとって安全な場所ではなかったし、リィナ自身も逃げ出したいと思っていた。だからジュドーはずっとリィナの心配をして、助け出そうとしていた。
 それが無事でいると分かったから、ジュドーは安心して前に進めた。
 ジュドーはいつも前(未来)を向いて、過去から続く「今」を生きている。そうあろうとしている。ジュドーのメンタルまじで強い。

第41話 ラサラの命
ナレーション(ハマーンに対して)
「あの人、一人でシリアス」
 笑った。

第43話 コア3の少女(後)

 キャラ様、「汚名挽回」って言った。なのにジェリドと違ってネタにされない。
 キャラが濃いからね! キャラだけに!

ジュドー「分かってないなぁ。子供は親といたいんだ」
 作画がへたってるだけか、意図したものか分からないけど、この回のラストのジュドーは、無理して笑ってるように見える。やっぱりジュドーも両親がいないの、寂しかったんだろうな。



第45話 アクシズの戦闘

モンド「じゃあ聞くけどね! 悲しめば、死んだ人間が生き帰ってくるとでもいうのか? えぇ? っ、……済んだことは、さっさと忘れちまった方がいいのさ。人間なんて、死んじまえばそれっきりだ。けど……、けど、俺たちはこれから先、ずぅっと生きていかなけりゃならないんだぞ!」
エル「そういうのに限って早死にするもんなのよねぇ!」
 エルを睨み付けるも、何も言えずブリッジを出ていくモンド。百式の整備をしに行くというモンドに、オレも後から行くと呼びかけるジュドー。
ジュドー「モンドだって、悲しくないはずがない。あいつだって、大切な人を亡くしたばかりなんだからな」
ルー「ラサラさんのこと?」
ジュドー「ひょっとしたら、ミリィさん以上に悲しんでるかもしれない」
 泣きながらも百式の整備に向かうモンド。
アストナージ「モンド、ジュドーは?」
 ヘルメットを被って、涙を隠して。
モンド「後から来るって言ってたよ」
 このやりとりでΖΖのテーマは全部言った。

 出撃前のコックピットで深呼吸し、気持ちを整えるジュドー。
ジュドー「生きて、シャングリラに戻れるかな」
リィナ『戻れるわ、お兄ちゃん』
 緊張を解いて微笑みながら。
ジュドー「……リィナも一緒にな」



第46話 バイブレーション

グレミー「私には戦わねばならぬ大義がある。お前こそ正義など見えないのに、なぜ戦う」
ジュドー「そ、それは……」
グレミー「お前はただの兵士だから戦っているのだ。お前がガンダムに乗っているのは、状況に過ぎん。しかし、私は違う。自ら過酷な生き方を選び、後悔はしていない。お前には内から湧き上がる衝動はあるまい! そんなクズは、私の前から去れ!」
ジュドー「違うよ! ……オレには、個々の人の、欲望が起こす間違いだけは分かるんだよ。だから……オレは……」
カミーユ『その君の勘から発した、君の怒りといらだちは、理由になる』

ジュドー「……分かったよ。オレは間違いなく、身勝手な人の独善に対して、皆の意思を背負って戦ってる」
 ジュドーの弱気は、カミーユが消してくれる。ジュドーが迷わないように、カミーユが、皆が、プルが、ジュドーを見て、支えている。だからジュドーは、最後まで前を向いて戦えた。



最終話 戦士、再び……

 ジュドーを守った守護霊バリアにしれっと混ざっているララァさん。もうカミーユと茶飲み友達ってことでいいよね。アムロとシャアの話とか一緒にしてたらいいよねという妄想。
 Ζでカミーユの守護霊バリアに自他共に認めるオールドタイプのライラさんが混ざってたのは、カミーユがライラさん大好きだったからってことでいいとして、この場にいる人間になんの接点もない(プルやハマーンともないはず)のララァさんが混ざってたり、ラサラさんやエマリーさんがいなかったりするのは、やっぱりこのバリアーはプルとカミーユがジュドーを守るために張ったものだってことで、アムロとクワトロがカミーユの心配ばっかしてるからララァがカミーユを守りに来て、そのカミーユが守ろうとしたジュドーを一緒に守った。つまりカミーユを守ることとジュドーを守ることは同義だったってことじゃないかと。だから他のメンツもプル以外Ζのキャラ(プル、ララァ、フォウ、カツ、サラ、カミーユ)だったというこじつけ。

ハマーン「アステロイドベルトまで行った人間が戻ってくるっていうのはな、人間がまだ地球の重力に引かれて飛べないって、証拠だろ?」
 ジュドーはこの言葉の意味を確かめるために、ハマーンと同じものを見るために木星に行ったんじゃないかなあ。その先に未来があると信じるから、明日を見つけに行った。

アストナージ「木星に行ったら、4~5年は会えないなぁ」
セイラ「彼が木星に行ったら、最低3年は会えなくなるのよ」
 何かあった時に面倒だから、実際より長い期間を宣伝するのはよくあること。事情通のセイラはその辺を知っていて3年と言った。

 夜の海辺を走り回り、メリーゴーランドごっことかするカミーユとファ。ずっと寝たきりだったからね! 体力有り余ってるね! カミーユは元気になった!
 カミーユはΖΖでジュドーの心に触れて、ジュドーの戦いを見て、ジュドーの目を通して世界を見て、そこに希望を見出して、この世界でもう一度生きてみようって思ったから帰ってこれた。
 シロッコの呪縛なんて切っ掛けにすぎなかった。どれだけ戦っても、この戦いが終わっても、結局世界は変わらないんだって現実を見るのが怖くて逃げてしまっただけ。
 それでもまだ世界を見続けて、戦いを見続けていたカミーユにとって、ジュドーの目に映る世界は、たとえどんなに辛くて厳しくても強く逞しく生きるジュドーの目を通して見た世界は、キラキラ輝いてイキイキしていたから、この世界にも希望はあるのだと思えた。
 ジュドーがいてくれて本当に良かった。

 ΖΖは、常に「天秤を揺らしている」作品だった。
 Ζの重くて救いようのない内容から「大団円のハッピーエンド」を導くために、初めに大きくギャグ方向に振り切って、そちらに比重を置いた上でシリアスな展開を挟み込み、またギャグに戻してと「揺り戻し」を入れることで、Ζから「直接続く」重い展開を乗り切って、ハマーンの心を救った上で倒して戦争を終わらせてカミーユを回復させて無理やりハッピーエンドにする、無理を押し通す話だった。
 だからグレミーやビーチャのキャラも安定させず、上げたと思ったらまた落としてと常にどっちつかずなままにして、終盤まで固定しなかった。
 ΖΖは「これまでのガンダム」の固定概念を壊して、新しい、それもかっこよくない、情けない、おかしい、面白い、明らかに今までなら入れなかったような、無駄な描写を大量に入れて、なんでもありな世界にした。
 「戦争」よりも「生活」それも、最大公約数的な一般市民ではなく、少数派の、ちょっとおかしな人たちや、時代遅れな人や過去に囚われた人、戦い続ける人、怯える人、がめつく図太く生きる人等々、様々な形の生活を描いた。
 ジュドーたちも、協力したり裏切ったり助けあったりけんかしたりと自由に生きて、仲間との絆を育んだ。
 ちゃんと自分の心を分かってくれる、ぶつかってもすれ違っても、最後には分かり合える。「誰か」の足りない部分は別の「誰か」が補ってくれる。「みんな」で苦しみを分かち合って乗り越えて、前に進んでいける。 仲間がいる。独りじゃない。それがどれほど強い力になるかを描いた。
「ガンダム」と言う名の「兵器」をタイトルに冠する以上、戦争の話になるのは当たり前の、一話に一回戦闘シーンという制約がまだあった頃のアニメで、「戦争」そのものより、そこに生きる人々との関わりを明るく、前向きに描いた。
 その積み重ねがΖの重さを押しのけて、ΖΖを明るい未来へと導いた。



そらいろめいろ


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